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Panasonic LUMIX S1H × 撮影現場 Vol.3 撮影監督 会田正裕 氏 × LUMIX S1H ファーストインプレション

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Profile:
会田正裕(あいだ まさひろ):撮影監督
ドキュメンタリー、CM、TVなどマルチな現場で活躍。人気TVドラマ「相棒」シリーズの撮影をシリーズ初回から務めている。劇場映画作品では「相棒-劇場版」全シリーズをはじめ、「少年H 」(降旗康男 監督)、 「海難1890」(田中光敏 監督)「王妃の館」(橋本一 監督)、「TAP」「轢き逃げ」(水谷豊 監督)など。

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Q:ライブ撮影はどんなカメラセットでしたか?
会田: ライブでは、たくさんのカメラを使った中でLUMIX S1Hも使ってみました。小型で最小構成な点を生かして、 客席のレベルで写真を撮るのと全く同じ構成で動画を撮ったわけです。そういうことって意外に珍しくて、通常はモニターを別に付けたり、10ビット収録も外部収録の装置を付けたりしますが、LUMIX S1Hは、本体で10ビット収録できるのでそのままで動画も非常に撮りやすかったです。ライブで、強い照明が入ったりした時も、非常にいいポテンシャルで受け止めてるじゃないかなと思ってます。

ただ、明るさは、マスモニとファインダーの見かけの光量が最初ちょっとイメージ違いましたね。動画用にちゃんと改める必要があると思います。テスト段階でそういったところをうまく調整して使っていけば、本体だけで10ビットで収録できますから、これは非常に価値があります。
Q:会田さんの主戦場とも言える、ドラマのワンシーンでも今回使われたということですが?
会田: ドラマで小型で完結している機種を使うのはジンバルを使うときですね。ずっと続けている、私にとってのホームグラウンドでもあるドラマ「相棒」の場合、一昨年まではステディカムを常備してたんです。ジブも使っていますが、全体的にダイナミックに動く時は、ステディカムが良かったわけです。 ステディカムは、いまだに良い機材なのですが、セッティングの時間とか、あと予算面やスタッフの人数も多くなったりということを考えると、まして冬場の昼間の時間帯が短い中で撮影するときには、機材のチェンジはなるべく早い方がいいんですよね。そうするとあのジンバルがやっぱり重宝されますね。
もちろん気を付けなきゃいけないポイントもありますが、慣れてくると結構いろんなことができて、カメラがメイン機種と遜色なく混ぜてもいい状態だったら、ジンバルに乗せてパッとこのカット移動とかっていうのがドラマでも非常に多くなってきました。

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Q:歴代の様々なカメラを使用されていると思いますが、カメラの差というのは何に出ますか?
会田:今まで、それでさまざまな機種のカメラを使ってきて、なんとか形にはなっているものの、やっぱり条件が厳しい時にカメラの差が出てきます。 やっぱり一番出てくるのはハイライトですね。カメラが高性能化して、確かに暗部には強くなってきた。ワンシーンを1機種のカメラで通しちゃうならあまり問題ないですけど、カメラが混在した場合、カメラの基本的なポテンシャルが高くないと混ぜ難いんですね。ましてや悪い方に全部合わせるというのも嫌ですし。だからそれぞれ、なんとなく色が似るようにする努力をしながら混ぜています。今回のLUMIX S1Hは、ダイナミックレンジが広く、ハイライトの処理がうまくいっていれば、人物がちょっとハイキーだったとしても相当いいレベルで映るので、そういう期待も持って、メインカメラではないですが、メイン機種の使いやすさと混在させた時の混在のレベルが非常に高い次元で実現できそうだな、という期待値で使ってみました。

Q:ドラマ使用でのその結果はいかがでしたか?
会田:今回撮っていたドラマでは、撮影のメイン機種にAU-EVA1を使っていました。一般論として、同じメーカーで同じような画質設計だったとしても、スチルカメラとムービーカメラではどうしても製品化の方向性の違いで、最終的な作りも変わってくるのが通例だったので、S1Hから出てくる画像イメージも他メーカーの時と同じようなものだろうな、と思っていましたが、S1Hの映像のポテンシャルが高かったことで、画像もとてもマッチングしやすかったですね。
Q: S1Hは、最初の機種ということで、まだ色々改善するべきところもあると思いますが、会田さんのような映画・ドラマの撮影監督という立場から見た、ここを改善してほしい、もうちょっとこうした方がいいっていうと思われるところはありますか。
会田: 画質はね、その機種に画質をどうこうして欲しいというのは元々ないんですよ。写真用で作って、あの大きさじゃないですか。あの大きさの中によくここまで機能を載せたなと感心します。作品ごとに良いものを選べばいい、という中で、今はS1Hかなと思いました。 色々カメラが出ている中で、LUMIX S1Hは今、ちょっと良いんじゃないかっていう感じが非常にありましたね。テストした結果もそうですし、実際に現場で使ってみた感じでも、使える局面が非常に多いなあ、というのが印象です。他の機種も、それぞれいいところがあるんですけど、画質の面ではLUMIX S1Hに(他の機種よりも)良いところが多いっていうのが、まず最初の印象ですよね。
改善要望としては、使い勝手は慣れもあるのかもしれないですけれど、純正のレンズを付けた場合の動画撮影、シネマ用途にも使ってほしいっていう意味でいうならば、レンズの使いにくさを改善してもらいたいですね。あれは動画用ではないので。あとはバッテリーが意外と持たないとか、(後部の)モニターはファインダー代わりにならないので、ライブ撮影の時にちょっと見ましたけどほとんど使わなかった。結局外部モニターを使わないといけないとか。
メニュー設定も慣れなのかもしれないですが、ちょっと深すぎるぞと思いました。使いたいところ、見たいところとか、あとファインダーの表示方法など。もう少し改善してもらえると使いやすいかな。動画のワンマンオペレーションのときの情報と、助手がいたりテストをしっかりしてあって、あの映像だけ撮っていきたい映画スタイルで、スタッフが全部揃ってる中で、サブカメとして使うときの使い方とは、見たい情報も使いたいその表示方法も全く違ったりするので、そうしたところも出来てくると、更に使いやすさは出るだろうなと思いますね。
84896703_1108610442815089_7890538956423430144_nTVドラマ「相棒」のスタジオセットにて

Q:最後に、LUMIX S1H、これで一本映画撮ることは考えられますか?
会田: Lマウントというのが、非常に可能性のあるマウントで、PL変換もできるし、そういった意味では、カメラの画質が気に入ったのであれば。他は、色んなシステムを組むことでまったく不自由なく、動画のカメラとしても使える部分もあるので。それはこっちの使い方次第なのかなとは思います。 凄く極論を言うと、映画っていうのは画質じゃないと思っているところもあるので、どんなカメラでも映画は撮れると思うんです。例えば、僕は商業ベースの作品をたくさん撮っています。テレビのドラマなんてもちろんそうだし、映画も僕は比較的商業ベースの作品が多いので、映画を画質じゃないと言いながらも、ある程度のラインをやらなきゃいけないなっていう作品も、比較的多いですけども、この機種を基準に映画を撮るって言っても、全く問題はない実力はあると思います。

Vol.1 シネマミラーレスカメラ、LUMIX S1Hの可能性
Vol.2 会田正裕 氏 × LUMIX S1H ファーストインプレション part1
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Vol.5 田中誠士 氏 × LUMIX S1H ファーストインプレッション part1
Vol.6 田中誠士 氏 × LUMIX S1H ファーストインプレッション part2
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