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Panasonic AU-EVA1 × IR Cinematography

- 次なるクリエイティビティの新天地へ、いま。 -


panasonic_FEATURE02_body000のコピー
赤外線撮影(EVA1で撮影)
IR/赤外線によるムービー撮影は、デジタルシネマの新たな可能性を生み出す、これからのクリエイターが探求すべき撮影法ではないだろうか?

赤外線ムービー制作の最大の難点は、通常の撮影と違う不可視光である赤外線の規則性を見いだすのが難しく、また被写体や環境によって出来上がる映像も予測不能で、通常の映像制作のように簡単には思ったような映像を得ることが極めて難しい。

ここではアーティストの貫井勇志氏が新作「palette」の中で、パナソニックのAU-EVA1にある「IRカットフィルターOFF」機能を使い、IR Cinematographyと呼ばれる赤外線ムービーの特殊性を活かした映像を制作したプロセスを追う。赤外線をある程度コントロールしながら、赤外線映像らしいファンタジックな映像を演出するための工程を紹介。

IR(赤外線)カットフィルター OFF機能とは…
IRカットフィルターは、赤外線領域における色の変調を抑制し、人間の肉眼に近い画像をセンサーに届けるため、通常のデジタルカメラに必ず装着されているブルーのフィルター。このIRカットフィルターを、Panasonicのデジタルシネマカメラ VARICAM LTでは手動交換で外すことができ、AU-EVA1ではワンタッチでON/OFFの切替え可能。
このIR カットフィルターOFF機能で赤外線領域を利用した特殊撮影がより簡単に実現できるようになった。

そしていま「IR Cinematography」と呼ばれる、新たな撮影手法が実現した。

赤外線とは

チャート
地球上に届く太陽光線には可視光線(VI)、紫外線(UV)、赤外線(IR)などがあり、そのうち赤外線と紫外線は人間の目では見ることの出来ない「不可視光」である。太陽光の波長は通常nm(ナノメートル)で表わされ、 およそ400nm~760nmが可視光線、760nm~1mmくらいのものが赤外線と呼ばれる。さらに赤外線は、遠赤外線と中赤外線、近赤外線などにわけられ、赤外線撮影に効果をもたらす近赤外線は760nm~1400nm程度としているのが一般的だ。近赤外線も紫外線と同じく、温帯の日本の場合、日射量の多い春から夏の季節で、時間帯にして午前10時~午後2時くらいが一番強く照射される。

IRカットフィルター

通常のデジタルカメラにはほぼすべて、肉眼と同じように像を目視できるように、IRカットフィルターが装着されている。デジタルカメラのセンサー前にブルーにみえるのがIRカットフィルターで、カメラのイメージセンサーは赤外線にも感応してしまうため、赤外線の影響を除去して人間の肉眼と同じ色を再現するため、IRカットフィルターが固定で装着されている。
そのカットポイントは、メーカーやカメラによって変わってくるが、今回の撮影に使用したPanasonic AU-EVA1のIRカットフィルターは、ほぼ700nm近辺でカットされるように設計されている。
AU-EVA1、そしてVARICAM LTではこのIRカットフィルターをクリアなフィルターに変更できるよう設計されており、VARICAM LTでは手動で、AU-EVA1ではワンタッチで切り替えが可能だ。

赤外線による映像撮影

近赤外線領域の光に若干の可視光を交えた赤外線画像の撮影は、IRフィルターを使ってフィルム時代から行われて来た。しかしピントやシャッタースピードが変わってしまい、正確なコントロールができないことや、フィルム現像するまで結果が判らず、想定する画像を制作するには相応の経験値が必要だった。しかしその効果の面白さから、沢山のアート写真作品で利用され、1960年代のサイケデリックなロックアルバムのジャケット写真などで多く使われた。
AU-EVA1では、ワンタッチでIRカットフィルターを簡単に解除できカラームービーで赤外線撮影が出来るのが画期的だ。他のシネマカメラでも市販のIRフィルターを使えば、ある程度似たような効果を得ることはできるが、肝心の近赤外線領域の光が元々カットされてしまっているため、赤外線画像の特徴的でエキセントリックな風合いは出ない。またセンサーの性能上の感度によっても効果や結果は違ってくる。一般的に赤外線撮影では、下記の理由から一般の撮影と同じような撮影できる訳ではないことを知っておく必要がある。
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スタンダード撮影
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赤外線撮影

赤外線撮影に必要な4つの基礎知識

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(1)赤外線は不可視光なので、現場では実際に目には見えないため被写体の光量を正確に測定できない。
(2)被写体の素材によって赤外線「反射率」が違うので、結果が大きく変わる。
(3)映像に赤外線特有の面白みを加えるには、近赤外線領域の中から使える領域を、IRパスフィルターなどでさらに領域を抽出して撮影する。
(4)さらに撮影素材をカラーグレーディングシステムなどでカラースワップ(カラーシフト)処理を行うことで、いわゆる「赤外線らしい映像」が演出できる。

その他、湿度、温度など撮影環境によっても写り方が違ってくるようだ。
AU-EVA1の「IRカットフィルターOFF」機能は、赤外線撮影の可能性を大きく拡げたが、その機能だけでは魅力的な赤外線映像は成立させることは難しく、経験と知識を応用した新たな創造性が必要となる。
ここから先は、新たな「IR Cinematography」の世界を覗いてみよう。