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EOS C500 MarkⅡの現場ポテンシャル ーCINEMA EOS ドキュメンタリーの現場から

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Interview 黒澤 清図 / Kiyoto KUROSAWA(Clink)

株式会社シーリンク
https://www.clink.jp.net/index.html

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旅チャンネル「鉄道ポスターの旅」撮影シーンから

世界のドキュメンタリーの現場でも、活躍の幅を拡げているキヤノン CINEMA EOS SYSTEM。
2019年末に発売された最新機種、EOS C500 MarkⅡは、これまでのユーザーからの要望を集約、時代に即した最新機能を充実したその完成形ともいえる。
これをいち早く導入した株式会社シーリンクは、TV番組からドローン撮影、ネット配信まで多様な撮影をこなす制作会社。
早速現場投入した代表の黒澤清図氏に、EOS C500 MarkⅡのインプレッションを聞いた。

EOS C500 MarkⅡの最初の印象は?

もうそれは、C300 MarkⅡの正式進化版という印象でしたね。
C300 MarkⅡで物足りなかったのはRAW収録する際に、外部レコーダーになってしまうことと、フレームレートが4K/29.97fpsでしか撮れなかったことです。
納品形態が僕らの場合、どうしても4K/59.94fpsという案件が多かったので、そこが厳しかったのです。
また使ってる側も使いこなしていくとどうしても欲が出てきてしまって、最初C300 MarkⅡでCanon Logで撮って、カラーグレーディングできることを経験してしまうと、もっといけるはずなのに、とさらに上が見えてきてしまうんですよね。
そうするとRAW収録がいいなと思い始めたりと。ダイナミックレンジがあれば空も被写体もちゃんと表現できることがわかってくると、RAWの方がもっと良くなるだろうと考えてしまいます。
またC200も持っているのですが、C200だとCinema RAW Lightで撮れますが、今度は記録メディアがCFast 2.0カード1枚だけだと、インタビュー撮影などではすぐに時間制限が来てしまう、といった問題もありました。
なのでEOS C500 MarkⅡが出たときに、RAWがカメラ内収録できて、メディアもCFexpressカードに変わりましたが、2枚挿しができて、といったところだけを見ても、僕らにとっては非常に理想的なカメラで、もうこれしかないと思いましたね。今はEOS C300 MarkⅡをC500 MarkⅡに変えて、それとC200を使っています。

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EOS C500 MarkⅡの魅力

やはり5.9Kのフルサイズセンサーは魅力ですよね。
深度が浅く撮れるのが楽しいし気持ちいいです。絵としての効果も色々出せると思います。
僕は元々EOS 5D MarkⅡとかで撮ってたのもあって、深度が浅い方が好きなので、以前はほぼF2.8固定で撮ってたんですが、EOS C500 MarkⅡにしてからは、F4やF5.6にした方がいいかなとか、色々絵のバリエーションも考えて撮るようになりました。
4Kの仕事を始めた時のEOS C300 MarkⅡを導入した際の、一番の導入の理由というのは、オートフォーカスの正確性というところです。
弊社のような人数をかけられないプロダクションでは、モニタリングも難しいし、大量の機材も現場には持っていけない。さらにドキュメンタリーの撮影では、たとえば何か作業している人を撮る際にも、役者ではないので、こう動いてくれとは言えない訳で、被写体が自由に動いている中でそれをどう撮っていくかということを考える訳です。
また4Kになったことで、ずっと手持ち撮影のカットというは、どうして絵に違和感があって、見ている人も気持ちが悪くなっちゃうだろうなというのもあり、なるべく三脚を立てて安定して撮りたい、というのがある。そうなるとレンズも望遠になってきますし、当然ピントもシビアになってくる。そうした際には、これらの現場条件でちゃんと撮影できるのは、他のカメラシステムよりもCINEMA EOS がいいだろうということで選びました。

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機動性/可搬性

とにかく撮りたい時にすぐ撮れるというのがCINEMA EOSのいいところです。
ドキュメンタリーだとどうしても撮影チャンスが突然くることが多いですから、他のシネマカメラだと立ち上がるまで時間がかかって、撮影チャンスを逃してしまう、もしくはそのシーンを結局諦めざるを得ないということもあるんです。
現場では常に時間との戦いがあるので、撮影者にとってそれはストレスです。
その点、EOS C500 MarkⅡはこのサイズで5.9Kの画質で撮れて、さらにスイッチを入れればすぐに撮ることもできるのは僕らの現場にはとても合ってるんです。
またバッテリーもVマウントも使いますが、海外などでの撮影では、バッテリーの機内持ち込みの問題も大きくなってきているので、付属の小型バッテリーでも稼働できるのもありがたいです。

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リッチな高画質が意識を変える

弊社では車のドリフトイベントの番組制作をやってるんですが、以前はドリフトってマイナーなイメージがありましたよね。
でも主催者がそのイメージを払拭したいということでこの「フォーミュラドリフト」というアメリカの競技イベントをそのまま日本に持ってきたんです。
そこで映像もカッコいいのを撮ろうということで、昨年もEOS C700を借りて高画質でスローモーションを撮ったり、ジンバルでアクティブなシーンを撮ったりスライダーを使ったかっこいいシーンを撮ったりしたのですが、そうした高画質のカッコいい映像を見た関係者や、被写体となっている出場したレーサーなどがこの映像カッコいい!凄い!ってなって、言って意識も変わってきたんです。
車のデザインやレーシングウェアやチームウェアのデザイン変わってきた。昨年のC700の映像では、空気の流れもキレイに映っているので、エンジニアも自分たちの開発した結果が映像で見えたことで、これは凄いって!、エンジニアの方はそこに食いついてましたね(笑)。
今年もEOS C500 MarkⅡでみなさんに注目して頂けるような映像演出を考えています。
CINEMA EOSのリッチで高画質な映像が起因して、ドリフト関係者全体の意識が変わる、意識が上がっていくというのは面白いなと思いました。
EFシネマロックマウント 今回最も良かったと思った機能の1つが、EFシネマロックマウントです。
EFレンズを使ってて難しかったのが、特に長玉の望遠だと、レンズのブレが出てしまうところに困っていたのですが、このEOS C500 MarkⅡでEFシネマロックマウントを導入してからは、このブレが無くなりました。
以前は300mmとかで撮っていると、ピント送る際に息を止めてピントを送らないとブレが出てしまったのですが、EFシネマロックマウントにしてからは期待通りにブレは無くなりました。
手前から奥へのピント送りでは必ず出てしまうので困っていたし、フルサイズセンサーでサイズも大きくなるとさらに目立ちます。また後処理でスタビライズ補正のエフェクトで取り除くこともできますが、その分レンダリングの時間もかかってしまうので、できれば現場でストレスなく処理したいわけです。本当にこのEFシネマロックマウントはいいですね。

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写真提供:矢作 大輔/ Daisuke YAHAGI(Canon Marketing Japan)