実際には、肉眼でその光の筋を認めた訳ではないので、
「美しかった。」というのは、適切ではないかもしれない。
木々の合間から射す日の光にレンズを向け、露出を下げ、
羽根を絞るのは、条件反射的だ。
周りの環境と、過去の経験に基づいて、そうすることは、
この逆光を美しく描写すると思ったからだ。
もちろん、想像されているものがあった。
でも、結果はそれとは少し違っていた。背面の液晶に映った光を、僕は思わず指でなぞって数えていた。
そしてカメラを正面に返し、レンズを覗き込む。
10という数が、新鮮に感じられた。
どのように描写され、どのように描画されるか、
想像もまた更新され続ける。
より美しく世界が見えれば、より世界が美しく見える。
津島岳央 / Takahiro TSUSHIMA 〈 Artist 〉
カメラ Canon EOS R
レンズ Canon RF50mm F1.2 L USM
ISO 250
シャッタースピード 1/60
絞り f8.0
撮影地 日本 南大沢