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X-H1 Demo Movie

- 「私の写真には、いつも私がいる」プロダクションノート -

「ETERNA」で撮る、ということ

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2017年9月某日、映像制作/撮影技術会社 アップサイドの会議室には、まだ誰も見たことのない外観のカメラが置かれていた。富士フイルム X-H1のプロトタイプモデルである。
2018年初春に発表される、このカメラのデモ映像撮影のため、撮影監督の会田正裕氏と富士フイルム側との技術ミーティングが行われた。
会田氏は、人気TVドラマ「相棒」の初回シリーズから現在までのカメラマン、撮影監督を努め、またそれ以外にも多くのTV作品の撮影を手がけてきた。そして兼ねてから会田氏自身も、富士フイルム製カメラのユーザーであり、お気に入りはX100。撮影やロケハン等のときにもいつも持ち歩いているという。

今回のX-H1のデモ映像制作におけるポイントは、かつての富士フイルム製映画撮影用ネガフィルム「ETERNA」のフィルムシミュレーションが新たに搭載されることだ。しかし、初めてこのデジタル版「ETERNA」で撮影する映像作品を作ることについてはある懸念があった。これまでの「PROVIA」「Velvia」「ASTIA」といったフィルムシミュレーションは、そのほとんどが静止画用のリバーサルフィルムを再現したものであり、過去に静止画のフィルムカメラの撮影経験者であれば誰もが体験したことのあるトーンである。しかしこの「ETERNA」は映画撮影用フィルムであり、そもそも一般人が簡単に撮影できるものではない。しかもネガフィルムなのでその仕上がりもその後の現像方法で異なってくる。
本作の撮影者には、フィルム版「ETERNA」の撮影経験がありつつ、さらに最先端のデジタルカメラ技術にも精通していることが望ましかった。
会田氏は、フィルムの「ETERNA」での撮影経験もありながら、これまで数々の映像作品で最新のデジタル映像技術を実践、さらには最新のデジタルワークフローへの深い見識を持つ。
カメラマン、撮影監督として、そして今回は、脚本演出も手がける監督として、会田氏がこの作品づくりに動いた。

天候不安定な10月の本栖湖

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撮影ロケは、10月中旬の少し肌寒さを感じる、富士山の麓にある富士五湖の一つ、本栖湖の湖畔で行われた。
主人公のキャスティングには過去の作品撮影から、会田氏とも交流のあった、女優の安達祐実さんに出演をオファー。安達さんご自身が写真好きであること、そして子役の頃から自身をとりまく環境の中で、写真、そしてカメラがいつも身近な存在であったこともあり、本作への出演を快諾されたという。
撮影1日目は、過去の家族をシーンを中心に、インサートカットや小道具に使われる過去の写真撮影などが行われた。この日は朝から天候に恵まれ、明るい日差しの中で、幸せそうな家族シーンの撮影が順調に行われた。
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会田氏の撮影方法の特色でもある、ミニジブやミニクレーンを多用した動きのある、しかしストーリーに深い意味を持たせる、巧みなフレーミングが心地よい。しかし普段の映画撮影用カメラとは操作仕様も含めて、いつもの撮影とはかなり勝手が違う。さらにいつもより小規模なスタッフ構成だ。

「こんなに小さなカメラシステムでドラマを撮ったことがないので、本当にちゃんと撮れるのか? 少し心配なんですよ…」

撮影前にはそんな言葉も漏らしていた会田氏だったが、これまでの豊富な経験と、信頼するスタッフの軽妙かつ正確に連動する効率的な作業が、普段のドラマ・映画撮影と全く変わらないクオリティの映像を次々に切り出していく。
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森の中のシーンでは、ジンバルを使用した移動撮影、スライダードリーを使った撮影など多彩な特機類も使われた。
レンズは、Xシリーズのスチル用レンズも使われたが、多くのシーンではMKレンズも使用されている。このMKレンズはこの撮影のために、従来のモデルのレンズマウントをXマウントに特別改造したプロトタイプが使用された。X-H1と同時に発表されるMKXレンズとは、レンズ内補正などを制御する内部構造は異なるが、レンズ性能はほぼ同じ。MKレンズのムービー仕様の操作性による使いやすさと高品位な画質が、撮影を進めるスタッフを魅了する。

本格ドラマと同じ、プロの緊張感の連続

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撮影初日に撮影された写真などの小道具は、その翌日、過去のモノへと経年変化の加工を施す、いわゆる「汚し作業」などの美術工作が行われ、短期間の制作でも、作品の細部までプロクオリティにこだわっている。

中一日を空けた2日目は、いよいよ主演の安達祐実さんのシーンの撮影日。撮影当時、日々ハードスケジュールをこなしていた安達祐実さんが、この撮影のために空けられたのは、この1日のみ。全ての必要カットをこの日に撮影しなければならない。スタッフの緊張感は、主演女優の登場と、スケジュールを全て確実にこなすという使命感からか、初日とは明らかに違った雰囲気だ。
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この日は朝からあいにくの雨。しかし用意されたシナリオは、主人公の心象心理を反映し、雨のシーンから始まるようにセットアップされていた。テスト撮影でのX-H1のプレビュー評価では、クラシッククロームやLog撮影とも異なる、「ETERNA」のもつハイが思ったよりも粘る、しっとりとした絵柄の風合いが評価されたが、本番撮影でもそれがモニターの画面から伝わって来る。これまでのカメラとは、明らかに違うトーンがそこに再現されていた。
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雨のシーンを撮り終わる頃、ロケ地の天候も変化し、実際の雨も止んで曇りから晴れ間の太陽光が差し込んでくる様相。まさにシナリオ通りの展開を迎えた。
膨大なカット数を、スタッフの手慣れた作業の連動で小気味良くこなした昼間のシーンを撮り終え、撮影チームは近くのコテージへと移動。いよいよクライマックスの室内・夜間シーンの撮影へと移った。
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ここでは主人公の感情が一気に溢れ出るクライマックスシーンの撮影が待っている。TVドラマや劇場映画であれば、前もってリハーサルを積んで本番に臨むが、それはほとんどない状態で本番に臨む安達祐実さん。通常のドラマとは役者もスタッフも勝手が違う。しかし撮影が始まると、ほぼワン、ツーテイクで決めていく安達さん、そして会田氏率いる撮影チーム。各々のプロフェッショナリズムが、次第にクライマックスシーンへの緊張感をアップさせていく。安達祐実さんの渾身の演技、そして「ETERNA」の映画風なトーンが伝わってくるモニター画面の絞り出された映像を通じて、現場スタッフ全員に張りつめる緊張感が伝わってくる。

そして、長い無音状態から会田氏の声が響いた。
「カット! OKです。お疲れ様でした」
安達祐実さんとスタッフの笑顔が、撮れた作品のクオリティと期待感を物語っていた。
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後日行われたポストプロダクション作業では編集とともにカラーグレーディングも行われたが、撮影時の「ETERNA」のトーンはほぼそのまま、大きなカラーコレクションによる色変更は行っていないという。また音楽は、多くのTVドラマ・映画の劇伴作曲家として知られる、吉川清之氏が担当。オーケストラでの収録が行われていた。
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「私の写真には、いつも私がいる」撮影現場より
PHOTOGRAPHER: 高橋 拡三(e Motion Photographers
※本撮影で使用したMKXレンズは、プロトタイプモデルを使用しています

STORY

誰もいない雨の湖畔を訪れた一人の女性、笑海(エミ)。フォトグラファーとして、東京で活躍している彼女は、幸せな結婚生活を控え、充実した人生を送っている。しかし一方で、絶対に忘れることのできない、深い心のキズを負っていた。この地を訪ねた理由は、数年前のある事故で失った家族との楽しかった思い出を辿ること。今は亡き双子の姉と、その先の希望に満ちた人生を夢見ていたころの過去の自分。昔に撮った一枚の写真が、いまその記憶を鮮明に蘇らせた…

「私の写真には、いつも私がいる」本編映像

「私の写真には、いつも私がいる」メイキング映像

会田正裕さんインタビュー映像

安達祐実さんインタビュー映像

STAFF & CAST

Director and DP by
会田 正裕

Starring by
安達 祐実

CAST
Father: 福井 博章
Mother: 森 まどか
Mika Child: 清水 海美
Emi Child: 清水 空麗
Stunt Double: 工藤 奈々子

STAFF
Music by: 吉川 清之
Story by: 杉原 奈実、会田 正裕
Producer: 杉原 奈実、石川 幸宏、蟇田 忠雄
Assistant Producer: 前原 美野里
First Assistant Director: 高明
Assistant Director: 山本 優子
Assistant Director: 笹ヶ瀬 寛大
Production Assistant: 萬野 崇博
Best boy: 福谷 孝宏
Assistant Camera: 田村 翔
Gaffer: 松村 泰裕
Electrician: 権田 典之
Electrician: 大場 智史
Sound Engineer: 下代 宗太郎
Wardrobe: 杉本 京加、中村 祐実
Make Up Artist: 吉森 香織
CG Design: 戸枝 誠憲、齊藤 まゆみ
CG Design: 菅澤 英子
Title Design: 戸枝 誠憲

Edit: 松竹 利郎
Edit Coodinator: 来栖 和成
Sound Designer: 清野 博伸
Subtitle Translation: Christian Storms
Behind The Scene: 高橋 絋三、木下 陽介

Costume coordination
piace de shiata
miniministore
ReEDIT

Production cooperation
BURST22
日本シネ・サービス
Sound Rize
サンミュージック
オフィス森本
NEWSエンターテインメント
今井事務所
気風 MORADO事業部
アニモプロデュース
テレビ朝日クリエイト
▶HOTSHOT

制作
株式会社アップサイド

製作
富士フイルム株式会社