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カールツァイス -オーバーコッヘン本社 探訪- 04

- セールス&マーケティングスタッフ インタビュー -

HOTSHOT 編集部

UP

映像業界におけるカールツァイスのポジション

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Carl Zeiss AG, Senior Director, Sales/Marketing and Service / Mr. Michael Schiehlen

Michael: 今年は創業者カール・ツァイス生誕200周年ですが、企業としてのカールツァイス社の設立170周年でもあります。光学精密機器メーカーとして創業以来、常に心掛けてきた目標が二つあります。ひとつは「画期的な製品の開発」です。時代の最先端、あるいは時代を追い越したような製品の開発。シネマレンズの分野では『Compact Zoom CZ.2』が良い例です。CZ.2が発売された当時の解像度はHDが主流で、まだ一般にはフルサイズのシネマカメラは存在しませんでした。時代のニーズを悠に凌駕した製品だったのです。そして今、ようやくCZ.2の性能を発揮できる技術的な環境が整ってきました。
もうひとつの目標はニーズに沿った「ソリューションとしての製品の開発」です。今回発表した『Lightweight Zoom LWZ.3』は正にそうした製品です。フルサイズではなくスーパー35mm対応ながらもZEISSレンズの特徴は備え、レンズ本体はCZ.2と比べて軽量かつスリム、そしてお求めやすい価格設定です。LWZ.3は撮影時に大掛かりな機材は持ち込めない場合や、予算に制限のあるシネマトグラファーのためのソリューションなのです。
ZEISSレンズの秘密というものがあるとすれば、それは製品の発想とこれまでに蓄積してきた物理学の知識、言い換えれば我々が最も得意とする硝材、金属、精密加工の技術でしょう。
この秘密があってこそ、お客様一人ひとりのニーズや条件に合ったZEISSレンズを提供でき、私たちの製品は2~3年といった短い期間ではなく、長い期間付き合っていけるものになるのです。
お客様目線を大切にして、革新的な技術を持ち込みつつ、それを信頼できる使いやすい製品に落とし込む。うわべだけのフレーズとして、「コミュニケーション」や「マーケット」が使われることがありますが、私達は現実に近く、真実と向き合っています。

世界の映画制作現場でカールツァイスのレンズが使われる理由

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Michael: 映画制作に関していうと、Master Prime、Ultra Primeが挙げられると思いますが、やはりARRI社との連携は我々のブランドにとって重要です。ARRIとは来年で80年の付き合いで、とても成功しまた互いに有益な連携であるといえます。一社が最高のカメラを作り、もう一社が最高のレンズを作る、つまり二社が同じ目的でハイエンド映像業界に貢献しているのです。これは業界内では良く知られた事実です。
Master Primeを例にとってご説明すると、今年(2016年)は同レンズシリーズにとってベストイヤー(記録的に売れた年)です。同レンズシリーズはすでに11年間、業界の先頭を走ってきましたが、これからもその記録は続くでしょう。しかし、その理由はスペックだけではありません。それはブランドへの信頼、「ツァイスなら信じられる」と思って頂いていることです。「開放値T1.3は凄いね」という声以上に「このレンズを選んだのは信頼性が高いから」というお言葉こそが私たちの情熱の源になっています。「このレンズを使って、今年だけでなく来年も5年後も、良いプロジェクトを作り良い長編映画を撮るんだ」と言って頂きたいのです。その年にどんな新しいレンズが発売されたとかは関係なく、使い慣れた信頼性の高いレンズをずっと使い続けられる環境を整えておくこと*が私たちのお客様にとって重要なのだと思います。

*世界中から集まる修理品や調整依頼をハンドリングするカスタマーケアーセンターはissue 02以降で紹介

世界から寄せられる「信頼」の証

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Carl Zeiss AG, Segment Marketing, Motion Picture / Mr. Dominik Schadewaldt

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Dominik: NABやIBCなどの展示会で、お客様がたの私たちの製品への愛と信頼を垣間見るのはとても嬉しい瞬間です。撮影現場にはいつもストレスがあり、時間もない。加えて早く決断しないといけない状況下では、信頼できる製品が不可欠です。またサービスにおいても、お客様のニーズを満たさなくてはいけないその時に、ただ質問に答えるというだけではなく、トラブル状況を解決するために出来るかも知れないすべての情報、実証済みの方法など、何をどうすればいいのか等を載せた書類を5ページくらいにまとめてお送ります。そうしてできる限りのサポートを行うのです。こうした積み重ねが実った一例として、あるお客様が同じ製品を13年間も使い続けていることを知りました。それはまさに私たちへの信頼の証であり、長期に渡って使える製品の証明でもあります。これこそカールツァイスそのものであり、私たちが取り組んできていることです。

たゆみない変革

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Michael: Ultra Primeレンズの製造は1990年から始まり、Master Primeレンズは2005年から製造が始まりました。これら二つのレンズシリーズはフィルムカメラ時代に設計されたものですが、実はデジタルカメラが登場してからのほうが需要の方が高いのです。レンズ設計においてはフィルムからデジタルに時代が移っても極端な変化はないのですが、コーティング技術は確実に進化しています。アナログからデジタルに移行する流れで、高い感度を持つ新しいセンサーが必要になってきました。その中で、私たちのT*(Tスター)コーティング技術はデジタルに適した最高なものの一つだと思います。このコーティングはレンズ内の反射、フレア、ゴーストを排除でき、光学的な乱反射を抑え込むことが出来ます。人によってはフレアやゴーストを好む方もいらっしゃいますが、私たちの目的な最高品質を提供することにあります。特にMaster Anamorphicシリーズには、最高効率を誇るコーティングを施しています。

世界のユーザーたちから尋ねられることとは

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Dominik: よく聞かれるのは「このレンズは4K、5.5Kワイドスクリーン、6Kなど、どこまでカバーしてくれるのか?」という質問です。ユーザーはカメラ自体をアップグレードした時に、持っているレンズをそのまま使えるのか心配されているのです。もちろん、Compact PrimeやCompact Zoomは35mmフルサイズ対応であって、8Kやワイドスクリーンに対応できます。技術革新はお客様にとっても切実で重要なことなのです。ですから、カメラが進化したとしても同じレンズを使えることは大事です。6Kや8Kへの進化を私たちが止めることは出来ませんが、私たちはすでに進化を見越して準備をし、すでに対応製品は揃っています。
映画制作および映像業界はとても国際的な市場です。今は撮影クルーも国際的になっています。国別にARRIを使う国、REDを使う国、Panasonicを使う国、とはなっていません。彼らはただ、ストーリーに合うロケーションを探し、撮影に赴きます。撮影では「どの国で撮るか」よりは「どんなトーンとルックが欲しいか」が重要で、その目的の達成のためにはマレーシアやタイ、日本でもあってもクルーは世界中から飛んでくるし、そのルックを実現できるためなどんなレンズでも使うことでしょう。

日本市場について

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Michael: 日本市場はとても保守的だと思います。例えば、Loxiaレンズは全金属鏡筒が特徴ですが、フォーカスも絞りもマニュアルなので、こうした保守的なお客様には好評頂いています。また日本のお客様は細かいディテールを気にしますが、これは私たちとっても素晴らしいことです。マーケティングレポートを見ても、日本での私たちの製品イメージはとても高いですし、支持してくださるお客様たちにはとても感謝しています。

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Dominik: 日本のお客様は非常に細かいところも見落としません。それが逆に私たちには良いのです。そうした細かいところにこだわってレンズを作っていますから、細かな点を評価されることは嬉しいものです。また細部にわたるフィードバックがあればそこを改善でき、こうしたことが私たちのモチベーションの拠り所になります。