logo_ver_tri
logo_hor_tri
  • ALL

    すべての記事をみる

  • NEW

    新製品 & 業界ニュース

  • HOTSHOT

    いまHOTSHOTな人に注目

  • FEATURE

    特集

  • IMAGI

    イマジネイティブ・アート

  • COLUMN

    コラム

  • UNIQ

    製品レビュー & テストレポート

  • TECH

    メーカーインタビュー & 技術解説

  • TIPS

    One Point of View

  • EDIT

    編集 & ポストプロダクション

  • TOPICS

    インフォメーション

海を渡る国産映像コンテンツ #2

- 約半年にわたる国内ロケで実現!ジョン・ウースタイルを踏襲したアクション映画「マンハント」その舞台裏 -

石川幸宏 / HOTSHOT編集長

UP

この2月から日本公開された、アクション映画の巨匠、ジョン・ウー監督の「Manhunt」(中国作品)。中国のスター俳優、チャン・ハンユーと日本のスターである福山雅治がW主演。その他、ハ・ジウォン(韓国)、チー・ウェイ(中国)、國村隼(日本)などアジアの有名俳優の共演で、無国籍で摩訶不思議な世界観の作品として注目だ。本作は1976年に映画化され中国でも大ヒットした、高倉健主演の「君よ憤怒の河を渉れ」のリメイク作。ジョン・ウー監督自身が高倉健の熱烈なファンであるとともに、その作品へのリスペクトも込めて、今作では全編で日本国内ロケを敢行、日本人スタッフ150名、多国籍の海外スタッフ50名の総勢約200名で、2016年6月のクランクインから大阪を中心に西日本で約半年にわたり一大ロケが行われた。
撮影を担当したのは「るろうに剣心」シリーズなどを手がけた石坂拓郎。邦画作品とは違った大規模なスケールの撮影が行われたその概要を石坂氏本人に聞いた。
issue006_feature04_body004
issue006_feature04_body006
「Manhunt」
公式サイトはこちら
全国絶賛公開中

撮影監督:石坂拓郎

takuro_Ishizaka

Profile

1974年生。アメリカのチャップマン大学を卒業後、映画の照明技師としてアメリカでキャリアスタート。その後、撮影助手として「ロスト・イン・トランスレーション」(03 ソフィア・コッポラ監督)、「世界の中心で、愛を叫ぶ」(04 行定勲監督)に参加、さらに撮影監督として「さくらん」(07 蜷川実花監督)や大友啓史監督作品の「るろうに剣心」シリーズ(12,14)3部作、「秘密 THE TOP SEACRET」(16 )、中国映画の「ゴッド・オブ・ウォー」(17 ゴードン・チャン監督)を手がける。

ジョン・ウースタイル

issue006_feature05_body007
とにかく現場で全てを決めていくのがジョン・ウー監督なので、監督が来ないと現場が始まらないんです。事前の絵コンテとかはほとんど関係なくて意味を為さない(笑)。その日の監督の頭の中に撮りたいイメージがあって、当日の朝に今日はこのシーンからどう撮りたいという説明を監督自ら解説します。この方法に最初は戸惑いましたが、1ヶ月くらいで慣れてきました(笑)。アクション撮影で印象的だったのは岡山の蒜山での牧場シーンで、こそこれぞジョン・ウーという迫力とスケール感でしたね。
編集も撮影のときから監督の頭にあったと思いますが、オーバーラップやフリーズフレームは後で考えたのかなと思われます。シーンのトランジションだけは現場でこだわることが多かったですね。ウェディングでのトランジションもそうです。
ジョン・ウー監督はいつもある一定のリズム感というか、このシーンにはこういうサウンドや音楽が流れるというイメージを撮影時に常に意識していて、ベースでイメージのリズムを持った音楽をかけながら、撮影することもあると本人は言ってました。今回は撮影の合間に監督と呑みにいく機会が多く、そんなときに監督の映画に対する姿勢を色々と話してくれました。
issue006_feature05_body008

基本は3カメ

カメラは、RED-WeaponとEpic混在の計4台でスタートしました。3台が基本で1つはステディカム専属にしました。4台目はMoVi仕様です。6K HDと5K HDサイズでの撮影が混在しており、その後さらに2台を追加して、別班でさらに別れた班の中での2台わけてと、撮影が進むに連れて規模がどんどん膨らみました。
issue006_feature05_body000
レンズは、Leica Summilux-C を2セットと、ズームはFujinon 70-400mm、Alura Light 15.5-45mm、 Alura 18-80mm、Alura 45-250mm です。
アップのシーンは35ミリ、時には、25ミリなどのワイドアップ、さらには、18ミリでのワイドアップもありました。歪みが少ないので、ワイドで寄っても、他のレンズよりも(画が)成立した気がします。監督が望む役者との距離感が近いことが多かったですね。
ドローンカットは、結局DJI Phantom 4で撮影しました。なぜかオペレーターが一台ずつ持っていたので、その都度必要な時に使っています。またあべのハルカスの上空から撮っている画はヘリ撮影で、当日は風が強くて困りました。昼間にリハーサルのときは問題なかったのですが、意外に夜は大変でしたね。
特殊機材は、テクノクレーンとウクライナ製のスタビライザーヘッド Active Headという新製品を使いました。これはいきなり実践投入だったので少し苦労しましたが、最近の現場では人気のヘッドになりつつあります。大型のカメラとズームでも問題なく使えるヘッドです。
カーチェイス後の車の爆破シーンは、本当に爆発させています。ナフタリンを使って燃え広がるけど一瞬にして消えます。
issue006_feature04_body003
Gyro Stabilized Active Head

国内での海外作品制作増加

issue006_feature05_body004
日本国内での海外作品の撮影もどんどん増えて来てます。撮影方法も明らかに邦画のスタイルとは違う。それがあってるのか間違っているのかは分からないですが、海外のやり方に日本のスタッフも慣れて来ていると思います。日本の制作は手順通りが基本ですが、海外はそうは行かない。明日の現場でいきなり必要なモノが出て、日本だと段取り重視で、今日の明日ではさすがに用意できない!となりますが、海外だと色んなコネクションを使って、翌日にはちゃんとモノが揃ってたりする。映画って手順通りだけだと面白くないし、元々成立しないことも多いんですが、いまの日本の制作スタイルだとそれが出来ない。要は次々と起こる変更事項に際して、いま何が必要か、自分のやるべき事は何かを把握して、成し遂げる目標に向かって一丸となれるチームが良い作品を生み出せるのではないか?と。
issue006_feature05_body001
Camera
RED WEAPON/RED EPIC-W  計6台
Lens
Prime:Leica Summilux-C (2set)
Zoom:Fujinon 70-400mm、Alura Light 15.5-45mm、 Alura 18-80mm、Alura 45-250mm
Drone
DJI Phantom 4
Crane
TECHNOCRANE
Remote Head
Gyro Stabilized Active Head

アクション俳優:松浦健城

issue006_feature05_body005
映画の冒頭で派手な惨殺シーンを演じた松浦さん。居合、抜刀術など日本武道の有段者でもあり、アクション部としてキアヌ・リーブス主演の「47RONIN」(2013)、NHK大河ファンタジー「精霊の守り人」、三池崇史監督・木村拓哉主演の「無限の住人」(2017)や「たたら侍」(2017)など、多くの時代劇やアクション映画に参加。本作ではジョン・ウー監督の選出でヤクザの頭役に抜擢。アクション俳優の視点から見たジョン・ウーの世界とは?

カット数と火薬の多さに唖然

最初アクション部としてお声をかけて頂きましたが、なんとジョン・ウー監督自らのご指名でセリフありの役を頂きました。出演したのは映画の冒頭に出てくる居酒屋の宴会で派手に撃たれるシーンです。撮影は全てセットで行って、仕上がりはかなり短くなっていますが、あのシーンだけでも何日も相当なカット数を撮りました。料理もすべてホンモノでそこに火薬も仕込んで銃撃されるシーンでそれを爆破させます。初日に派手な銃撃シーンにOKが出て終了となり、翌日また現場に行ってみると元通りにすべて料理が配膳されていて、もう一度同じシーンを撮りました。これは凄いなと思いましたね。あと仕掛けられた火薬の量も尋常ではなく、足りなくて再度調達したりしてました。また爆破スイッチもスタッフでは足りず、役者自身もスイッチを持って自爆してました(笑)。最近はこういう現場が邦画では少ないので、役者としてもやりがいがありますね。いまの日本の映画の現場ではああいう作品はなかなか撮れないだろうなと思います。
いまの邦画ではCGを多用するのでアクションもいまいち乗らないことが多いのですが、今回は全てホンモノなので現場の緊張感も違いました。多国籍なキャスト・スタッフのコミュニケーションは難しい部分もありますが、良いモノを作りたい現場は楽しいですし、そういう作品には色んな不安や条件が悪くても進んで参加したいと思いますね。
issue006_feature05_body011

© 2017 Media Asia Film Production Limited All Rights Reserved.