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フィルムシミュレーションの未来 × 4Kムービー

- メーカーインタビュー -

X-T1でミラーレス一眼カメラの将来性が見えた中、フィルムシミュレーションというカメラ内ルックを本格4K動画で実現したことで人気が高まる、富士フイルムのフラッグシップ機「X-T2」。一眼動画系クリエイターからハイエンドユーザーまで、サブ機からメイン機への導入も進む話題の「X-T2」にフォーカス。

富士フイルム株式会社
光学・電子映像事業部
営業グループ マネージャー
上野 隆 氏

メインカメラとしての期待の4K動画

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FUJIFILM X-T2

まず静止画ブランドとして足場を固めようという意思があったので、動画に対するプライオリティーは開発の段階でも一段下げていました。しかしX-T1、そして半年前にX-Pro2を出してから、この質が有れば充分だしメインカメラでいける、と。しかしメインでいけるようになれば色々と話は変わってきます。静止画以外に動画は動画機を(現場に)持って行くとなると機材が全て2倍!さすがに小型軽量を謳っているXシリーズでも、それでは意味がありません。ここはしっかり業務でも使える動画を撮らなきゃいけない。X-T2の開発では、最初からそこをターゲットに4K動画を入れることは決めていました。

色再現とレンズ性能

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やはり色再現含めた画作りとレンズ性能が大事になってくると思います。多くのシネマトグラファーの方、動画系クリエイターの方ともこれまで以上にお話しをするようになりました。X-T2の動画の良いところの大半は、フィルムシミュレーション動画がポストプロセッシング無しで、いわゆるフィルムルックな映像がカメラ内設定だけで簡単に手に入るという点です。それがどこまで業務に使えるのかは、仕事のレベルで色々違うと思いますが、例えばWeb系動画であれば、このまま撮って出しで行ける、というニーズには非常にフィットしているでしょう。一方でやはりレンズ性能。実際にXマウントレンズは、本当に光学設計では一切の妥協をしていません。特に単焦点でいえば、なるべく電子補正、電子的な歪曲修正補正だとか、色修正補正も、勿論ゼロではないですが、限りなくゼロに向かう様な設計をしています。XFレンズで撮ったフィルムシミュレーション動画、この二つの要素が非常に強力にインパクトを与える結果になっています。

FUJIFILMの「画質」

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画質というのは、フィルム=センサーと、プロセッサー、つまり信号処理・色作り、そしてレンズです。この3つの相互作用で決まるので、センサーだけフルサイズで良くてもレンズがダメなら結局はダメですし、信号処理がダメならもっとダメなわけです。我々はその3つの複合で画質が出るというのが分かっていますし、その後の画作り・信号処理は、フィルム時代からの実績が有ります。こういうフィルム・シミュレーションが実現したいから、その色作りのノウハウを持ったプロセッサーを開発することができました。「X-Processor Pro」は設計時点から出来上がりの色を想定し「だからこの能力が必要だ」という概念で開発されたものです。レンズもフジノンで、大判・中判・35mm…と、これまた全サイズフォーマットのレンズを作ってきた数少ないメーカーだと思います。レンズもフィルムと一緒でオールフォーマットで改良してきた歴史があり、映画用シネマレンズ、テレビレンズ、ありとあらゆるレンズをやってきた実績もあります。

ポストプロセッシング無しの新たな制作スキーム

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社内では「クイック4K」と呼んでますが、4K動画=ポスプロに長く掛かって、専門知識が無いと楽しめない、というのではせっかく良い画質・解像度で撮れるカメラがあってもあまり意味がない。日本ではオリンピックも控えて、4Kテレビもどんどん安価に普及し、放送系も加速する。そうなると、ある意味4Kを上映するインフラはどんどん増えていくわけで、そうして初めて一般の方も、普段から気軽にそういった高精細な4K映像で動画を残すことが出来るようになってくる。元々富士フイルムでは、世界中の写真・映像の世界で高画質なままで作品を残す、というコンセプトは、大昔から変わっていません。いま動画の世界に対する我々の提案が「フィルムシミュレーション4Kムービー」です。そこの市民権を獲得すべく、これから先も、勿論フィルムシミュレーションは、どんどん増やしていきたいと思っています。