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新フラッグシップカメラ ソニーFX9 開発のポイント FSシリーズユーザーへのラージフォーマットによる回答

- Interview with FX9 Development Team ソニーイメージプロダクツ&ソリューションズ株式会社 -

Interview with FX9 Development Team

ソニーイメージプロダクツ&ソリューションズ株式会社 デジタルイメージング本部
商品企画 プロダクトプランナー 大石 崇 / Takashi OHISHI
プロフェッショナル・プロダクツ本部 商品設計 村上 哲也 / Tetsuya MURAKAMI

 

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映画、TVからCM、Web動画まで、現在、世界で最も多くのユーザーを持つであろうカムコーダー、ソニーFSシリーズ。FS7、FS5、FS7 MK2と続くこの遺伝子を受け継いで、ついに35mmフルサイズセンサーを搭載したFX9が登場した。ラージフォーマット時代における新たなスタンダードとなりうるのか?その隠れた開発ポイントを探る。

6Kセンサーから、オーバーサンプリング4K記録
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商品企画 プロダクトプランナー 大石 崇 / Takashi OHISHI

大石:もともとフルフレームを考えたときに、使いやすい焦点距離が確保されたスーパー35mmレンズの使用が現場では大事になるので、そこを考えたときに、ちょうどフルフレームの6Kサイズを作りスーパー35mmレンズで撮ると、ちょうどネイティブ4Kの画素数が確保できるので、スーパー35mmでもちゃんと4K記録ができるし、フルフレームでもよりオーバーサンプリングの良い絵が撮れるというのが、一番のFX9の特徴です。
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センサーサイズが8Kになると、今度はピクセルサイズが小さくなってしまいます。そこのバランスをとって6Kというセンサーサイズを選択しました。
内部記録は4KのXAVCですが、4K以上のサイズだと新たなコーデックの普及活動をしていくというのもありますが、いまの既存ユーザーのことを考えると、まずはオーバーサンプリング4K記録がベストだと思っています。
RAWに関しては、会社内部でも色々議論はあったのですが、まだRAW記録が主流でないですし、IBC2019ではAtomosから、将来的にはFX9のRAW記録にも対応するという発表がされています。
市場が伴った段階で将来的には対応して行きたいと思っています。

 

ラージフォーマットへの進化と苦労
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プロフェッショナル・プロダクツ本部 商品設計 村上 哲也 / Tetsuya MURAKAMI
村上:FX9は、FSシリーズで本当に多くのフィードバックを頂いた中で、それにできるだけ多く回答したいという思いで開発しました。
それゆえに開発も難しかった点も多かったのです。
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どのユーザー層をターゲットにするか?という部分で、FS7がかなり幅広いユーザー層で使われてきたことが要因でもありますが、ターゲット市場が陣の中でも誰も明快な回答は持てていない中で、こちらの機能を優先すれば、排他的に他の機能が失われるなどの部分も多く、そこも苦労した点でした。
もちろんαシリーズなども互換性も考えなければいけないし、既存のユーザーにも満足頂けて、なおかつFX9とαシリーズを同時に使うような方も困らないように考えていく必要もあリます。 外部から見ればFX9の進化は、単にスーパー35mmからフルサイズへの、ラージフォーマットになった、というだけにも見えますが、実際に開発にしていた社内では、ラージセンサーになっただけでこんなことが起きるのか?!という事も多々あって、その変更に伴う調整をしていくだけでもかなり苦労しました。特に内臓可変NDフィルターの部分では、FS5やFS7 MKⅡのスーパー35センサーからフルサイズセンサーにしただけで、これまでとは大きく違う事象が出てきて、それを調整してクリアしたことは開発で最も難しかった部分の一つです。

ファストハイブリッドAF
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大石:オートフォーカス(AF)は基本的なところは現在好評を頂いているαシリーズから踏襲しているテクノロジーですが、ユーザー層も違うので、味付けとして多少変更しているところもあります。顔だけを追い続ける機能やAF中であってもMFリングでユーザーがそのタイミングを自分本位で可変させることができたり、またαよりも速度や感度をユーザーの好みに調整できる機能は幅をもたせているので、より細かいAF調整ができます。FS7の時は、マニュアルフォーカス(MF)のユーザーが多く、またAFもコントラストAFだけでしたのであまり評価されませんでしたが、ワンマンオペレートで、しかもラージフォーマットですとどうしてもさらにフォーカスが難しくなりますので、ファストハイブリッドAFという形で機能強化しました。

 

多くのユーザーの声を反映した隠れたポイント
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大石:強調したいのは、細かいところなのですが、現行のFS7では様々なオート機能をもたせていましたが、オート機能ボタンを押せば簡単に撮ることができたのですが、撮影現場で気がつくとオートモードになってしまっていたり、それが返って現場で問題になることもありました。FX9ではそこを改善し、ボタンを長押ししないとオートモードにならないなどの工夫をしています。またVFから出てくるケーブルを本体に挿す途中にクランプを設けて、ケーブルのたわみをなくすなど、カタログスペックに載らないような細かい部分で進化している部分があります。これらもすべて現場からのフィードバックを元にFX9に反映されたもので、よりオールインワンカメラとして使って便利に頂きたいと思っています。

 

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SONY FX9
https://www.sony.jp/ls-camera/products/PXW-FX9/index.html