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Craftsmanship from Japan Libec / 日本のものづくりメーカーへの原点回帰

Interview 平和精機工業 代表取締役社長 山口 宏一 / Koichi YAMAGUCHI 〈 Libec 〉

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Libec(リーベック)のブランド名で知られる日本の三脚メーカー、平和精機工業にいま大きな変革が起きている。
2019年10月で就任一年を迎えた代表の山口宏一氏に世代交代したことで、新たな方向へ大きく舵を切った。
これまでにはなかった30kg超クラスの耐荷重を誇る、大型三脚のQDシリーズを皮切りに新製品開発に着手、そして10月にはLibecブランドとしては新機軸となる、三脚以外の新製品を多数発表するなど早くも意欲的だ。
山口宏一氏は幼少期を海外で過ごし、その後アメリカへ留学、他分野の工業メーカーを経て平和精機工業へ2014年に入社。
これまで世界48カ国を訪れたグローバルな視点から見えてきたLibecの未来予想図は、日本のものづくりへの原点回帰だ。
マーケティングからものづくりへ 最初、映像業界の印象は非常に特異というイメージでした。
さらにここ最近はトレンドが激しく変わる中で、スピーディーでクリエイティブな判断が求められます。
この10月で社長に就任して1年を迎えますが、私が就任後、色々と細かいところを変えてきました。
その中で大きく方向転換をしたのは、一言で言えば「日本のものづくりメーカーへの原点回帰」です。
それまで弊社の中では「マーケティング」という言葉を重視してきたのですが、それは他のメーカーがやっていることを同じ条件で勝負することになります。
三脚の市場でも中国系製品が増え、トップブランドすらシェアを取ることに躍起になっている中で、我々としては日本のものづくりとその技術力を磨くことしかないのではないか?と考えました。
いま一番重視すべきはものづくりであり、品質であって、さらに重要なのはそれを支えるスタッフの技術力です。
これまで以上により当社の持っている技術に光を当てるようにしたのです。
もう小手先のごまかしで売上げが上がるという時代は終わったのではないでしょうか? 日本のものづくりへのプライド 三脚とは、良い映像が撮れること=スムーズに動いてピタッと止まる、ロックしてもブレない!というのが基本でマーケティングばかりに目がいっていた時はそこがおろそかになっていた。
日本のものづくりに回帰したときに我々がやるべきことは、日本人らしい作り込みを徹底的に追求していくことだと考えました。
例えば他国メーカーの製品では削り出しのパーツが多いのですが、削り出しでは精度は出るものの、数を作っても単価は下がりません。
これを成型や鋳造にして数量を生産すれば単価が下がり、価格競争にも勝てるのです。
これまでは他に勝ち目がないという雰囲気もありましたが、自分たちの技術力をもう一度見つめ直し、徹底的に日本型のものづくりを追求することで、製造部や技術部門のスタッフの士気が一気に上がりました。
さらにQDシリーズがいま世界で市場を広げてはじめている状況は、それが成功体験としてさらにスタッフの大きな自信に繋がっています。
いまLibecが本来やるべきところが見えてきて、スタッフの意識が劇的に変わりました。そのことが起点になってこの秋出荷する多くの新製品もとてもスピーディーに開発出来たのです。
いま会社内の雰囲気はとても良くて、日本にしか出来ないという部分がまだまだある、というのがスタッフ全員の自信に繋がっていると思います。